
就職戦線の秩序を守るため、日本経団連が仲介役となって、大学側と産業界で申し合わせをおこなっている。
「企業の倫理憲章」がそれである。主な内容は二つ。採用選考は4年生の4月以降に実施、正式内定日は10月1日以降というものである。
以前、この中に学生が十分に企業研究できるように速やかに情報開示するという一文があった。この情報開示をめぐって企業間の駆け引きが水面下で活発化し学生を混乱させた。
そこで、2010年から倫理憲章が改められ「採用選考活動」を「広報活動」と「選考活動」に分け、具体的文言で線引きをした。
広報活動は、会社説明会、インターンシップなど学生が自主的に参加または不参加を決定できるものとして、その後の選考活動に影響しない旨明示する。
そして、選考活動とは、一定基準に達した学生を選抜することを目的とした活動を差す、というものだ。
この改訂が、逆に学生の足を引っ張った。「採用選考と直接関係ありません」と銘打った広報活動の大半が選考の前倒しになっていたことである。状況判断一つで明暗を分けた。
お膳立てしてもらうことに慣れきった学生たちは、注釈をそのまま受け止め、セミナーなどに参加せず後手を踏むケースが続出したのである。
人事部が実施するセミナーである。「採用と関係ない」と断りがあっても選考活動が含まれるものと認識すべきであろう。
日本企業と異なり外資系企業の大半は、企業の倫理憲章の縛りを受けない。それぞれ独自のスケジュールで採用活動を実施している。十分に留意しておきたい。